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榎本病院長
木内 博之 病院長
患者さんに安心を与えることのできる医療人を目指そう  山梨大学医学部では、「国民に信頼される良き医療者の育成」という一貫した教育理念に基づいて卒前教育から卒後臨床研修まで行っております。では、良き医療者とはどのようなものでしょうか?山梨大学医学部附属病院では、その答えとして、患者さんに安心を与えられることと考えております。そこで、当院では「すべての患者さんに安心を」を理念に掲げ、高度医療の中核として、安全で最適な医療を提供するとともに、人間性豊かな医療人の育成と臨床医学の発展に貢献することを目標としております。
 当院の特徴は、地域がん診療連携拠点病院、肝疾患診療連携拠点病院 等に加えて、がんゲノム医療連携病院、アレルギー疾患医療拠点病院、小児がん連携病院、てんかん診療拠点機関としての指定を受けており、県民の皆様に、診療科横断的な集約的医療を提供しております。また、病院改修事業がすすめられ、手術室、救急部、ICU、NICUなどはすべて一新され、最先端の設備を駆使して高次元の医療が展開されています。手術室は、低侵襲で高度な先端医療を推進すべく、内視鏡手術室、ロボット支援下手術専用室、ハイブリッド手術室、さらには、わが国で最高の性能を誇る高磁場MRI装置を導入した術中MRI手術室が整備されております。放射線部門には画像診断、核医学、放射線治療の三部門があり、最高水準の診断と治療装置が稼働しております。また、多目的血管撮影装置により、これまでの消化器系の診断に加えて、循環器や脳神経系疾患の診断と治療が大幅に拡充されました。放射治療部門では、オンレール CT+リニアックシステムと、画像誘導放射線治療(IGRT)機能を有し強度変調放射線治療(IMRT)を行うTomoTherapyにより高精度放射線治療を画像誘導下に行っており、地域に国内最先端医療を提供しております。
 当院は、県内外の多くの関連病院や医療連携協力機関と連携し、地域医療に貢献するとともに、教育や研究面においても密接な協力体制を確立しています。大学病院はもとより、関連病院にも熱心な指導医が数多く在籍し、親身に指導に当たっています。また、将来、新規医療を開発する国際的な研究者を目指す方には初期研修を行いながら大学院等での研究が可能なプログラム(基礎研究医プログラム)も用意されています。
 富士山、八ヶ岳、南アルプスに囲まれた自然豊かな素晴らしい教育環境、高度な医療施設、優れた研修カリキュラム、そして熱心な指導者を擁する山梨大学医学部附属病院で、すべての患者さんに安心を与えることのできる医療者を目指しましょう。

臨床教育部長挨拶

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板倉 淳 臨床教育部長
シームレスな臨床教育の実践に向けて  本学の臨床研修プログラムでは、研修医一人ひとりの主体性を尊重し、個別にカスタマイズされた研修カリキュラムを提供しています。研修のフィールドは学外にも広がっており、県内外の中核病院や被災地の診療所を含む広範なアライアンス(連携病院群)を形成し、その中で自由に研修を行える体制を整えています。これまでにも数多くの連携施設との間で活発な交流を重ねてきましたが、近年では、必修となった一般外来研修の受け入れ先を4病院に拡充し、大学から派遣された指導医のもとで、common diseaseの診療経験を着実に積んでいます。さらに、昨年度より稼働を開始した一次救急センターでは、研修医が中心となってウォークイン患者の診療にあたり、学部で習得した臨床推論や医療面接の技能を存分に活かした診療経験を重ねています。これにより、common diseaseや初期救急の対応能力は飛躍的に向上しています。
 たすき掛けプログラムでは、1年次または2年次のいずれの期間でも、学外の関連施設で自由に研修ができ、多様な医療環境での経験を通して視野を広げることが可能です。また、学部時代にライフサイエンスに携わった経験や、研究への関心を持つ研修医のためには、臨床研修と並行して研究活動が行える「基礎研究医プログラム」も、令和3年度より提供されています。
 シミュレーションセンターには、高機能人体シミュレーターや病態肺シミュレーター、デジタル蘇生プログラムを常設した模擬病室・手術室、マルチタスクトレーニングルーム、ロボット手術トレーナー、血管内治療シミュレーター、さらには腹部・心臓超音波シミュレーターなどが完備されており、基本的な手技から高度な専門技術まで、幅広い技術習得が可能な環境が整っています。これらを活用し、座学にとどまらない実践的なハンズオントレーニングを主体とした教育を通して、「すべての研修医が確実に総合診療能力を修得する」ことを目指しています。
 臨床研修制度が始まって20年以上が経過しました。この間、制度の在り方について多くの議論と改訂が行われてきましたが、現在進行中の医学教育改革において中核となっている「卒前・卒後を通じたシームレスな臨床教育」は、本学の臨床研修プログラムにおいても確実に実践されています。学生時代に培った知識に加え、臨床現場での技能・技術を実践し、さらには教育のエフォートを担うことで、自らの力をさらに高め、人々に信頼され、喜ばれる“医療者というArtist”として成長していくことを、心より願っております。

臨床研修センター長挨拶

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矢ヶ崎 英晃 臨床研修センター長
研修医と指導医、双方にメリットのある研修システムを目指して  本院の臨床研修センターには60名を超える研修医が所属し、大学病院ならではの多彩な診療科を、研修医自らがデザインしたプログラムで研修しています。日々の診療の中で指導医と連携しながら、病棟・外来の患者さんの診療、救急やERなど現場でのファーストタッチ、コメディカルとのカンファレンスなどの経験を通じて現場での貴重な研修を行なっています。
 大学病院で初期臨床研修を行うことのメリットは、(1)多くの専門医が集まる臨床・研究・教育の中心であり希少疾患や複雑なケースの診療に関わることができる、(2)教育に重点を置いたプログラムが整っており定期的なカンファレンス、セミナー、ワークショップに参加できる、(3)基礎・臨床研究のプロジェクトに参加して領域分野の専門医としてのキャリア基盤が築ける、ことなどが挙げられます。特に山梨大学では、大規模なシミュレーションセンターを活用した実践的なハンズオントレーニングにより、臨床現場に直結する高度な手技を効果的に習得することが可能です。
 一方で指導医の先生は、日々の臨床の中で研修医の診療を見守っていて、常に優しく時には厳しい指導を行なってくださります。指導医の立場でみると、研修医を指導するなかで得られることは、(1)指導医自身の教育技術やコミュニケーション能力を培い指導スキルを向上できる、(2)教える過程で自己の医学知識を再確認し深く理解する、(3)研修医が持ち込む新しい視点や質問は指導医の診療や研究に新たなアイデアを提供する、(4)研修医を含む教育的な環境は医療チーム全体の協力を促進しチームワークを強化する、ことが挙げられます。これにより患者さんへの診療の質が向上し、医療効率も高まり、研究成果も向上することが期待できます。
 当センターでは研修医と指導医、双方にメリットのある永続的な研修システムを目指したいと思います。良い教育体制が地域医療を活性化することを期待して、山梨大学で一緒に学んでいきましょう。
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